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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1199

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1199

黒川博行 「喧嘩(すてごろ)」

建設コンサルタントの二宮とヤクザの桑原の「疫病神」

シリーズの最新作。

二宮は議員秘書からヤクザ絡みの仕事を請け負う。

議員事務所は大阪府議選挙で票集めのため暴力団

雇うが、契約内容でもめ、事務所に火炎瓶が投げ

こまれた。この暴力団は小さいが、その上に大手の

組があることが分かった。二宮は、この組に対抗できる

組を探すが断られてしまい、やむなく桑原に協力を

頼む。二宮と桑原は関係者に接触するうち、依頼された

仕事の裏に本筋とも言える別の問題があることが

分かってくる・・・。

このシリーズの読みどころは、二宮と桑原の大阪漫才の

ようなやりとり。お互いを疫病神とののしりつつ、実は

この二人は相性ばっちりのコンビだ。

すっかりおなじみとなった、桑原の舎弟、上司である若頭、

二宮のアシスタントの従妹、母親など、常連の脇役も登場し、

盛りたてる。

ところで二宮と桑原はグルメである。桑原はともかく、年中

金に困っている二宮は、少しでも金が入ると美味しいものやを

めざす。てっちり、ステーキ、寿司、鰻・・・。店名も出るが、

著者によると架空の店名とのことだ。だが、たぶんモデルが

あるのではないだろうか。この二人が行く店は、どれもこれも

旨そうだ。さらに彼らが行くナイトクラブも楽しそうだし、場末の

バーですら酒が旨そうに読める。

過去の作品より少し小ぶりかもしれないが、話はテンポよく

進む。コンビは絶好調(舌口調)だ。