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詩22「母のいる場所」

私の恥は親の恥

私の恥は親の恥

私の恥は親の恥

母が嫌いだ

いつまでもわたしにすがる

弱い母

だからわたしは恥をかく

母を苦しめるために

(ここでお客さんの背中の下にまわるの)

(湯舟を足でぐっと押したらいいよ)

(滑り込むようにするの)

(そう、そこで仰向けになって)

(ローションもっと溶いたほうがいいよ)

丸いフライパン

(キノコが入った鮭のホイル焼き)

四角いフライパン

(甘ったるい玉子焼き)

片手鍋

(ほうれん草のおひたし)

寸胴

(少し薄味の豚汁)

雪平鍋

(豆腐が主役の水炊き)

女優のハナシを勧誘された

また恥を晒せる

台所に立つと

調理台の上にあるあれこれが全部

母の姿を思い出させる

(リカさんてナマナカはOKでした?)

(いいですよピル事務所負担ですよね)

(アナルは?)

(ヤリマス)

(ウンコとか出せます?)

(ヤリマスヨ)

(里佳子はほんとうに

思いやりのあるいい子です)

(あの子が人様のものを取るなんて

考えられません!)

(もう一度確かめてください!)

取ったんだよ

私が取ったんだよ

どうしていい子だなんて思ってるの

いつまでそんなふうに

私に夢を見ているの

二度と私のことを

いい子だなんて思わせない

母は

わたしがどんなに恥をかいて帰ってきても

わたしから逃げなかった

里佳子はほんとうにいい子だから

どんなことでも応援すると

母はまっすぐそう言った

わたしは何を間違えている?

月日

わたしは結局

同じ仕事を続けている

ただひとつ違うのは

今の仕事を誇りを持って

やると決めたことだ