「嗚呼、映画64(ろくよん)」

1989年、まだアメリカに居て、

昭和が平成に変わるその瞬間を、

複雑な想いで、迎えた記憶がある。

昨年、日本に来て、ずっと気になっていた

64(ろくよん)という映画

結局観れず仕舞い。

ふと、ネット上で、

一期一会

その映画に触れた。

評判以上に、何とも骨太で、

ぐいぐい引き込まれる

素晴らしい映画だった。

まず事件の設定が、とても秀逸で、

わずか7日間で幕を閉じた

西暦1989年、昭和64年、

ここで、時代を振り返って、

いろいろな想いが去来してくる。

主人公演じる佐藤浩市が凄い。

警察官でありながら、

その事件との絡み以降、

広報官という役職にスポットがあてられる。

即ち、警察機構に存在しながら、

マスコミメディアとの橋渡しをする、

何とも特殊な位置づけである。

警察の中で無理難題を押し付けられる上司に、

極端に行動を制約されながらも、

深い溝の出来たマスコミ各社との妥協点を

探るように縋るように模索していく。

静謐に、むしろ抑えた形で、

マスコミ各社に心で訴える佐藤浩市

前半の演技が圧巻だ。

そこに、胸を締め付けられるような、

スリリングな緊張感が漂う。

昭和64年に起こった符牒64は、

とても痛ましい幼児誘拐殺人事件

後編、14年の時を経て64の事件は、

時効を間近に控え、

反転返しに物語りが動き出す

64の事件に絡んで、

警察庁長官視察の真意を探りながら、

「幸田メモ」という謎のキーワードが出てくる。

この辺りの、現代の保守的な警察という組織を、

社会派絵図の中で、興味ぶかく見て取れる。

主人公が当時の被害者の父親を説得し、

望まなかったはずの広報官という部署で、

警察県警の刑事部と警務部の板挟みになりながら、

まさに佐藤浩市が主人公と一体化して、

最後まで、緊迫感を持続しながら、

鬼気迫る演技で、魅了していく。

何気にだけれど、原作の横山秀夫氏の

社会派ノベル最高傑作だということに合点した。

体も精神の不調もあり何度も書き直し書き直し、

最後はほぼ完成間近の原稿を、

全編改稿して執念で仕上げた大作中の大作である。

こういう原作があって、こういう映画を観られたら、

本当に心から生きている喜びを感じてしまう。

いろいろと思いつくままに書き連ねてみると、

進行上、主人公の家庭の事情が挿話されながら、

さりげなく無言電話があったことなどが、

後になって、大きな意味をもっていく。

その伏線の張り方が悔しいぐらいに憎い。

たまらなくうまくて、後でうーんと唸りまくる。

鬼気迫る演技という点であれば、

もしかしたら佐藤浩市をも凌駕するぐらい

被害者の父親役を演じた

濱マイクこと永瀬正敏が、

とんでもなく際立っていた。

演技だとわかりながら、

心が完全移入してしまい、

物語の核として、警察でさえ、

成し遂げられなかった犯人探し特定への

凄まじいばかりの執念とその生き様が、

全く不自然でなく、受け入れられて、

それゆえに、後で大きな感動になって、

心を揺さぶられた。

そんなことができるのかと思えるが、

これは、永瀬正敏が演じていたからこそ、

有無を言わさず納得できて、嗚呼、と唸っている。

いずれにしても、

そういう落としどころがあったかと、

原作者の力量にまたまた沁みている。

昭和最後の年、

昭和64年の時代設定の妙技、

事件への膨らみと人間の葛藤

本当に、

すんばらしい映画だった。

余談ながら、この演技で、

佐藤浩市日本アカデミー賞

最優秀主演男優賞をとる。

さもありなんと思う。

また、クレジットで

半年間、ずっとかぶりつきだった

べっぴんさんの芳根京子さんの

名前があったのに、

最後まで、気づかなかった。

後で、もう一度、見返してみて、

ようやく気づいて、、、参りました。

映画の内容もさることながら、

他にも演技人の個々のキャラが引き立っていて、

見せ場がふんだんにある。

綾野剛  三浦友和  滝藤賢一  緒形直人 

瑛太  窪田正孝  吉岡秀隆 他各氏

皆、主役級の演技で、

映画の醍醐味を堪能しました。

映画って、本当にいいですね。

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64(ろくよん)は、

その壮大重厚な筋立てから、

前編と後編に分かれている。

前編がYouTube に 

また2本に分かれて、

アップロードされている。

映画 64 前編 2-1:

https://www.youtube.com/watch?v=RXcSX0DxhH0&t=61s

映画 64 前編 2-2:

https://www.youtube.com/watch?v=JlWtR5JpJlI

すべての事件の真相が明らかになる後編は、

こちらから、、、

映画64 後編

https://www.youtube.com/watch?v=6fe3_55lFLU&t=1761s

※64の後編については、途中から入っていけず、

どうしても我慢しきれずに、結局、掟破りながら、

近場のTSUTYAで、260円/当日 で観ます。

前編は、序章に過ぎませんが、

後編が、やはり見せ場です。

後、64のドラマ仕立てが、5つに分かれて、

やはり、YouTubeにアップされています。

こちらもまた、切り口が斬新で、

主人公、ピエール瀧さんの演技が、

佐藤浩市さんに負けず劣らず素晴らしいです。